✿ この記事で分かること
- 総合型選抜が教員にとって「コスパが良くない」と言える理由
- 総合型選抜で成果を上げた総合学科の、学校組織の具体的な仕組み
- 大学説明会に教員が足を運ぶ意味(「これは半分営業だよ」)
- 総合型選抜を続けるための、これからの課題
志望理由書の前編・後編、面接指導と続けてきた総合型選抜シリーズ。
締めくくりの今回は、学校組織という切り口からお話しします。
総合型選抜はコスパが良くない?教員の負担という現実
まず率直な感想です。
総合型選抜は教員にとってほぼマンツーマンの指導になり、労力の消費が大変に大きい試験です。
コスパで言えば、あまり良くないですね。
大学にとっても負担は大きいはずです。
それでも大学がこの試験を選ぶのは、一般試験では拾いきれない可能性を生徒に見出しているからだと思います。
理念と熱気がある学校組織
私が転勤した総合学科には、学力だけでは測れない資質を伸ばし、社会に貢献できる人材を育てるという確かな理念が、すでに根付いていました。
総合型選抜で生徒の進路を開拓してきたという自負と実績があり、組織全体に熱気がありました。
当時の進路指導部長さんは、組織作りから生徒対応まで大変な手腕を持った方でした。
私はそのやり方を間近で学びながら、総合学科の進路指導を身につけていきました。
生徒の側にも、先輩から受け継がれた「総合型選抜で進路を切り開く」という文化が根付いていて、これはもう一つの学校文化といえるものでした。
総合型選抜を支えた校内の仕組み
この学校で、総合型選抜を支えていた仕組みを表にまとめます。
| 仕組み | 中身 |
|---|---|
| 進路検討会議 | 教科担当の先生方と「この生徒はこういう部活をしていて、こういう研究をしているから、こういう可能性がある」という情報をこまめにすり合わせる |
| 診断テストの導入と可視化 | 河合塾の「学びみらいPASS」(リテラシーとコンピテンシーの診断)を導入。数学の先生お二人が、模試の数値とクロスさせて可視化 |
| 生徒ごとのプロジェクト | 希望する生徒にプロジェクトを組み、経験豊富な教員が担当につく。総合的な探究の時間の指導教員がそのまま担当になることも |
| 教員向け研修会 | 小論文指導研修会・面接指導研修会を定期的に開催。忙しい先生方のために50分完結で全員参加 |
| 大学説明会への参加 | 教員が積極的に足を運び、大学側の熱意や本音の情報を得る |
診断テストの導入を思いついたのは私が中心でしたが、模試の数値と掛け合わせて可視化することを思いついたのは、数学の先生お二人でした。
その手腕で生徒一人ひとりの適性がより具体的に見えるようになり、進路指導にとても効果的だったと思います。
総合的な探究の時間とプロジェクトがつながっていたこともあり、組織として有機的にシステマティックに回っていたなという印象があります。
大学説明会は「半分営業」
私は3年生の担任が4年連続で続いたこともあり、他の先生方の分もカバーしながら大学説明会に熱心に通いました。
対面でしか得られない大学側の熱意や、「こんな生徒が欲しいんだ」という本音の情報には、そこでしか得られないものがありました。
進路指導部長さんからは「これは半分営業だよ」という言葉も聞きました。
大学の先生も、こんな熱心な教員に教えられている生徒が受けに来るんだという、イメージの戦略にもなるとおっしゃっていました。
過疎化に悩む地方の大学ほど、総合型選抜に本気で取り組んでいる傾向もありました。
判定で大学を選んで入学した学生がミスマッチを起こして辞めていくことを避け、地元で活躍する人材を確実に育てたいからです。
そうした大学は特別説明会を早期に開き、足を運ぶ先生や生徒の本気度を見ています。
これからの課題|経済格差と教員の負担
今や総合型選抜は全国で当たり前になり、競争が激化しています。
留学や海外研修など、家庭の経済状況に左右される経験の有無が有利不利につながるという懸念も生じてきているなと思います。
アメリカでは実際にそうした格差の指摘もされています。
そして何度も言いますが、教員の負担感はとても大きく、人的な配置や手当てが不可欠だと強く思っています。
持続可能な仕組みづくりが求められるなと思います。
学校組織づくりが成果を大きく左右する
それでも私がいた総合学科には、生徒の全人格的な可能性を見抜いて、育てて、進路保障へと結びつけていく仕組みが確かにありました。
総合型選抜による進路保障は、本当に学校が組織的に動いた結果だったと思います。
この学校に勤務した10年間は何事にも代えがたい経験で、大きく成長させてもらったなと感じています。
前向きで努力家な生徒たち、チーム力のある先生方に恵まれたかけがえのない時間であり、幸福な経験をたくさんさせてもらいました。
学校組織づくりが総合型選抜の成果を大きく左右する、というのが私の実感です。
皆さんの学校では、総合型選抜にどのように取り組んでおられますか。
✿ まとめ
- 総合型選抜はほぼマンツーマンの指導で、教員の負担が大きい
- 成果を支えたのは、学校の理念と、熱気のある組織
- 進路検討会議、診断テストの可視化、生徒ごとのプロジェクト、50分の研修会が有機的につながっていた
- 大学説明会は「半分営業」。対面でしか得られない本音の情報がある
- 続けるには、経済格差への目配りと、人的な配置・手当てが欠かせない
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※この記事はClaudeをアシスタントとして使用しました。
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