一問一答は捨てなさい|総合型選抜の面接対策シートの作り方と練習法

✿ この記事で分かること

  • 一問一答の想定問答集が、総合型選抜の面接に向かない理由
  • どの角度から聞かれても答えられる「面接対策シート」の型
  • グダグダな状態から仕上げるまでの面接練習の進め方
  • 話すのが苦手な生徒を伸ばすときのポイントと、AI時代に残したい「その子らしさ」

総合型選抜の面接指導は、結局その子一人一人のオーダーメイドになるので、正直かなり大変な作業だと思います。

今回は、働き方改革に逆行する教員の過重負担による面接指導の様子をご覧いただきたいと思います。

一問一答の想定問答集では、生徒がフリーズする

面接指導では、一般論のパワーポイントを使った一斉指導がよく行われます。けれども最終的には、生徒一人一人に合わせた個別指導にならざるを得ません。

巷にある一問一答形式の想定問答集は、違う角度から問われると生徒はフリーズして答えられなくなるという弱点があるために、あまり生徒には適していないと私は思っています。

想定していない問いが来た途端に詰まってしまう。面接では、それがそのまま不利な場面になってしまいます。

面接対策の土台は、自分の「コア」を自覚すること

例えば、「あなたがこの学校を選んだ理由は何ですか?」と「オープンキャンパスに来てどんな印象を持ちましたか?」は、実はかなり近い答え方で対応できる質問じゃないかなと思っています。

だからこそ、まず生徒に自分の中にあるコア、核といったものを自覚させて、その場から選び出して答える力を育てることを重視しています。

自分のコアをしっかり形成して、そのコアの中から選び出すという方式、これが面接対策にとってかなり重要だと思っています。

そして、志望理由書と面接はワンセットで考えるべきものです。面接対策は、志望理由書をもとに組み立てていきます。

面接対策シートの型:一つの問いに答えは最低三つ

そこで私は、あらゆる質問に対応できる面接対策シートを自作し、生徒に配布するところからスタートします。これは私が3年から4年かけてバージョンアップしてきたものです。

シートの基本の形は、次のようになっています。

問い例:「あなたがこの学校を選んだ理由は何ですか?」
答え①・②・③と最低三つ。可能なら④・⑤まで考える
それぞれの答えに理由/補足/きっかけ/つながり を細かく書き込む
(「その理由は〜です」「こういうこともきっかけでした」「こういうことも考えています」)

一つの問いに答えを一つだけ書かせるのではなく、引き出しを増やして、どの角度から質問が来ても答えられるようにしていきます。

「それ以外にありませんか」に耐える準備の厚み

私の長年の経験から、大学の面接官の先生は一つの問いへの答えが浅いなと感じると、「それ以外にありませんか」「その他にありませんか」と問いを重ねてくることがわかっています。

過去に指導した生徒で、国立大学の総合型選抜で「それ以外にありませんか」と3回もしつこく聞かれた子がいました。三つ用意していたので最後まで答え切れた、という報告を受けました。

このように、準備の厚みが本番でのしつこい追求に耐える力になると思っています。

面接練習の進め方:ほぼ体育に近い反復練習

シートができてからの流れは、おおよそ次のとおりです。

  1. シートを添削しながら対話を重ね、内容を深めたり志望理由書とのズレを直したりする
  2. 内容をある程度覚えて言い慣れたら、実際に面接練習を始める(最初は大抵グダグダです)
  3. うまく話せなければ、もうやめにしようと切り上げさせ、一つの項目につき10回、時には20回、めっちゃくちゃできない人は30回、家で一人芝居のように繰り返し話させる
  4. 慣れてきたら、話している様子をスマホで動画に撮って見返させる
  5. 理想の話し方として、好きな俳優さんや女優さんの名前を挙げてもらい、その人の話し方をイメージさせる
  6. 仕上げに、他の先生にも「修行に行っておいで」とお願いして行かせ、違う切り口からの質問を受ける

考えていることと喋っている口元が連動していない状態なので、これはほぼ体育に近い基礎基本の反復練習だと捉えています。

だんだんと考えていることと口が連動して良くなってくるので、その時はしっかり褒めます。動画を見返すと、生徒自身が課題に気づいて自主的に修正するようになります。

話すのが苦手な生徒は、どう伸ばすか

時々、「総合型選抜に向いていないんじゃない?」と他の先生から言われるような、話すことが苦手な生徒を担当することもあります。

けれども私の経験では、本人のやる気と、ある程度の文章力や国語力があれば、そこから大きく伸ばせることが多いと感じています。

こういう生徒とは、最初の1週間ほど毎日30分ずつ、ああでもない、こうでもないと対話を重ねます。答えられなかった言い回しをその場で私が実際に話して示し、話すことのイメージを少しずつ少しずつ植え付けていきます。その土台ができてから、面接シートに沿った応答練習に移ります。

やる気と国語力のある生徒は、2週間目あたりから応答がふっと良くなる瞬間があって、最終的には他の生徒と遜色なく話せるようになることがほとんどです。

むしろ、もともと持っていた国語的なセンスや、話し慣れていないからこそ持っているじっくり考えた雰囲気、間の取り方がオリジナリティとして生きてきて、話すことに新しい魅力が生まれたケースもありました。

生徒が本来持っているものを引き出すという意味でも、指導と同時にその子の持ち味をどんどん褒めていくことがとても大切だと思っています。

面接は、内容をしっかり作っても、目線や立ち振る舞い、声のトーンや抑揚といったデリバリーの部分でかなり印象が変わります。過去に指導した総合学科の生徒たちを振り返ると、もともとコミュニケーションが得意な子、好きな子ほど総合型選抜に向いていたという印象があります。デリバリーの指導については、またの機会に譲りたいと思います。

AI時代の面接指導:荒削りな部分、雑味はあえて残す

最近はAIの登場で、面接指導や小論文指導、志望理由書指導がやりやすくなったと思います。私の時代にはAIがなかったので、この面接対策シートを作る対話の部分をAIで代替できれば、大きな時短や働き方改革につながるのではないかと思います。

ただし、AIに答えを聞いてしまうと、どうしても典型的で優等生的な答えに寄りがちです。

その子らしい尖った個性、荒削りな部分、雑味といったものは、あえて残すようにした方がいいのではないかと思っています。特にその子にしか言えないエピソードや、その子にしか出せない言葉は、AIで整えすぎて削ってしまわないようにしたいのです。

志望理由書のような書類は、AIを使えばそれらしく整った文章を誰でも作れてしまう時代になってきています。だからこそ、面接というその場でのリアルな応答、話し言葉にこそ本当の差が出てくるのではないかと思っています。

AIの登場によってフェーズは変わりました。AIで効率化できる部分と、その子らしさを残すために人の手で残すべき部分を、これからも見極めていかなければならないと思っています。

✿ まとめ

  • 一問一答を覚えさせるのではなく、自分の「コア」から選び出して答える力を育てる
  • 面接対策シートは、一つの問いに答えを最低三つ。それぞれに理由・補足・きっかけ・つながりを書き込む
  • 練習はほぼ体育。10回、20回、30回の反復と、スマホ動画での見返しで口と頭を連動させる
  • 話すのが苦手な生徒も、やる気と国語力があれば大きく伸びる。持ち味を褒めて引き出す
  • AIで整えすぎず、その子らしい雑味を残す。差がつくのは面接のリアルな応答

面接指導に悩んでいる先生方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

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※この記事はClaudeをアシスタントとして使用しました。
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