
夏休みの補習、たった3人のクラスで起きた出来事です。
9月の発表会に向けたスピーチ指導は、最初はただの個人指導のつもりでした。
しかし振り返ってみると、それはいわゆる「自由進度学習」になっていました。
うまくいかず後ろ向きになった生徒が、一つのきっかけで前向きに変わる瞬間もありました。
教員と生徒の信頼関係があってこそ生まれた、小さな教室でのドラマをお伝えします。
夏休みに入り、私は今、少人数の補習クラスでスピーチ指導を行っています。
9月に控えているのは新聞スクラップの発表会。中学3年生が最上級生として1、2年生にお手本を見せる、ちょっとしたイベントです。
この子たちは1年生の頃からずっと見てきており、発表力を上げるためにいろいろ試みてきましたが、なかなかうまくなりませんでした。そこで今回の夏休みで、もう一度仕切り直すことにしました。
テーマは完全に自由にしました。その子自身の個性を大事にしたかったですし、何よりやる気を引き出したかったからです。
導入では、私自身が「メイクと私」というテーマで撮った動画を見せました。
問いかけから始め、効果を語り、落とし穴も語り、最後に呼びかけて締めるという構成です。自ら手本を示すことで、生徒たちは目を輝かせ、笑いながら楽しそうに見てくれました。
最終成果物のモデルを出すことは、本当に大切なことです。それも、先生自らが表現者となるのです。
原稿はまず、生徒がロイロノートのカードに入力。その後、Geminiにヒントを出してもらったり、私が助言したりして、それを手直しさせました。
ここが一番大事なところで、生徒一人ひとりと対話しながら原稿を仕上げていきます。小人数だからこそできたことです。
そして撮影本番です。
2分間を一発撮りするのは無理があるため、カード1枚につき30秒、4枚に分けて動画を撮りました。
何度も撮り直しになりました。
話し方がまだ十分ではなく、音の高さ、間の取り方、抑揚、アクセント、身振り手振りといった点を個別に指導しました。
放送部の顧問をしていた経験がここで生きました。ただ、あまり細かく要求すると意欲が削がれてしまうため、重点を絞って伝えるようにしました。
事前に例文などで指導してもいいのですが、転移できる生徒はわずかなのです。なので、一番気合が入る本番の文章でこういう指導をすることが一番吸収率がいいです。
そんな中、うまくいかず後ろ向きになり、意気消沈してしまった生徒がいました。
自分は話し方が下手だから、うまく話せないと感じていたようです。
そこで私は、その子が得意としていたフィギュアスケートの話を振り、教室でシャドウイングをしてくれとお願いしました。
最初は乗り気ではなかったため、私が先にジャンプやスピンの真似をしてお手本を見せたところ、その子が地面の上でその技を再現してくれました。
これが見事な出来栄えで、率直に感動しました。拍手を送り、握手をすると、そこからその子は前向きにスピーチに取り組み始めました。
こういうその子を認める、肯定的に見る雰囲気づくりって大事ですよね。
動画は各自iMovieで編集させ、クラス全員で見せ合いました。振り返りシートには、次はもっとうまくやりたいという前向きな言葉が並んでおり、こちらも嬉しくなりました。
振り返ってみると、これはささやかではありますが、個別最適な学習であり、個別指導であり、自由進度学習であり、自己調整学習でもありました。
きちんとした授業デザインさえあれば、自然とそうした学びの形に近づいていくのだと、今回もまた実感した2日間でした。
※この記事はNotebookLMをアシスタントとして使用しました。
#国語教育 #スピーチ指導 #自由進度学習 #教員のリアル #個別最適な学び



コメント