「どこに書くんですか?」が消えた日~ICTが変えた国語科授業のリアル~

※この記事は、note で公開した記事の転載です。元記事:https://note.com/naomistyle/n/n9400684f2487

▼ハイライト

前任校には支援を要する生徒がクラスに6、7人いて、どれだけプリントを工夫しても「先生、それどこに書くんですか」という質問が止まりませんでした。

そこで、Google Meetの画面共有とApple Pencilでの書き込み、デジタル教科書体、括弧ではなく四角い枠とナンバリングといった、ユニバーサルデザインや特別支援の観点からの工夫を重ねた結果、質問は消え、私語が減り、定期考査の点数も他クラスより15点から20点上がりました。

ただし、ICTはあくまで可能性を広げるツールです。最大の効果を生んだのは、生徒が本気になれる単元設定だったと考えています。

板書とデジタルと

前回の450回では「板書をしないのは望ましい困難の機会を失っている」として板書推しの話をしました。今回はその裏合わせです。

板書も大切。でも、認知の負荷が高すぎる生徒には、やっぱりデジタルも大事なんだよ、という話です。

きっかけはX(旧Twitter)への投稿でした。

前任校で、それまで最適解だと思ってきたワークシートで授業をしたら、なんだか今ひとつ視認性が悪い。

ユニバーサルデザインや特別支援の観点から学んだ様式に変えたら、がらっとスムーズになった。

そのプリントの作り方と観点を画像で添えたポストに2.8万件のインプレッションをいただき、思った以上に需要があると分かりました。

今回は4年前にFacebookのグループで発表したスライドをもとにお話しします。

「先生、それどこに書くんですか」

前任校では、支援を要する生徒がクラスに6、7人ほどいました。聞く・読む・書くを同時にこなすのが難しく、見ているはずなのに黒板の字が写せない。

イラストを入れたりナンバリングしたり、プリントは丁寧に作ってきたのに、それでも「それどこに書くんですか」が止まらない。

ツボを外しているような感覚で、個人指導に時間を取られて授業が進みませんでした。それまでの学校ではこの質問が出なかったので、私は無自覚だったんですね。

児童精神科医の著書を読んで、左の図を写しなさいと言うと全く違う図を描いてしまうような、認知の力が弱い生徒が一定数いると知りました。そういう子にとっては、黒板を見てノートに写すこと自体がものすごく負荷の高いことだったのです。

視線移動が少ないから、負荷が下がる

高速Wi-Fiが整ったのを機に、Google Meetで画面共有し、Apple Pencilで書き込みながら授業をしました。

生徒は一人一台のPCで私の画面をリアルタイムで見て、手元には同じプリントがあります。

そこに色ペンで、生徒と応答しながら、あたかも板書であるかのように書き込んでいく。

今どこに何を書いているかが一目瞭然になり、「どこに書くんですか」がなくなりました。

写すスピードが上がり、私語が減り、集中度がすごく上がりましたね。

私もiPadを持って机間指導しながら授業できるので、機動力も出てきました。

最初は半信半疑だった「四角い枠」

プリントはデジタル教科書体に徹底して変え、空欄を括弧ではなく四角い枠にしました。

特別支援の先生や、定時制に勤務されていた若い先生に教えてもらったもので、最初は半信半疑だったんですけども、劇的に変わりました。

枠にナンバリングして何番に何を書くかを明確にし、行間と字間は広めに。

評価欄を設けるだけで結構やる気になったりしますし、ある程度の量を書かせるときは罫線を入れる。このガイドは生徒にとって重要でした。

アウトプットでは、生徒の答えをその場で画面に書き込み、Googleフォームで意見を吸い上げました。

字が苦手な生徒もきれいな字で出てくるし、友達に見られるから目的意識をもって書く。

パフォーマンス課題にハマる生徒も続出し、定期考査は他クラスより15点も20点も上がり、横持ちの先生にも広まりました。

ICTは可能性を広げるツール

でも、本当にこれでいいのかな、とも思います。

読む・聞く・話す・書く力の伸びは見えにくく、模擬試験の結果もすぐには返ってきません。

一番よかったのは、教科書教材にこだわらず、生徒が興味・関心を持つ文章を入れて単元を構想する、教員の自主編成能力がベースにあったことです。

つまり、どうやったら生徒が本気になれるかがキーだったと思います。

ICTは可能性を広げるツールで、大事なのは生徒が本気になれる単元設定。その両立を目指して、これからもトライアンドエラーを続けていきます。

※この記事はClaudeをアシスタントとして使用しました。
#国語教育 #ICT教育 #ユニバーサルデザイン #特別支援教育 #今日も明日も授業道

タイトルとURLをコピーしました