
やっぱりSNSで「自由進度学習」への疑問がささやかれている・・・。
なので再び筆を執りまして、過去のPodcast配信を元に記事を書くことにしました。
https://listen.style/p/naomistyle/6riqfrnp
https://youtu.be/HSxnjMGq9A8?si=PhigBWas04-3oguH
「自由進度学習」は本当に大変!でも…?
7月29日。四国中央市ロイロノートイベントに登壇しました。
登壇の依頼を受けたとき、「自由進度学習は本当に大変そうだけど、これって実は、普段の授業に部分的に取り入れているのではないか。そう考えれば、持続可能な形になるんじゃないか?」という考えが浮かんできました。
実は以前開いたオンライン交流会でも「自由進度学習をゆるくやっていこう」と提唱していたんですよね。
日本と海外、国語と他教科の決定的な違い
セミナーでは、まず自由進度学習の概要と定義、そして今の教育界に導入された背景についてお話ししました。
日本の自由進度学習は、実は1980年代に愛知県の小学校で導入されたのが始まりです。それがICTの導入とともに中学校にも広がりを見せましたが、高校ではなかなか定着しなかったんです。
その理由として、大学入試が関係しているとも言われていますが、私は「国語と自由進度学習の相性が良くない」ことが大きいと思っています。
理科や数学は、客観的にスキルを分けやすいので、段階的にレベルを設定しやすく、自由進度学習を取り入れやすいですよね。でも、国語は複雑で高度な文脈を扱うため、レベル分けが非常に難しいんです。
それに、国語の場合、学力が高い生徒が必ずしも読解力が高いわけではありません。逆に、学力はそこまで高くなくても、生活体験を通して物事の見方や考え方が深い生徒もたくさんいます。
このように、学力の差がそのまま読解力の差にはならない部分が多いからこそ、国語では他教科方式の自由進度学習が広がりにくいのではないでしょうか。
欧米との文化やハード面の違い
では、欧米ではどうでしょうか?
欧米は元々、キリスト教の教えから「個」を大事にする文化があります。そのため、ICTの導入も進んでいたこともあり、個別学習を重視する土壌が早くからできていました。
アメリカやフィンランド、オランダなどでは、早くからシステマティックに自由進度学習が組まれており、オランダのイエナプラン教育のように、子どもの自己調整学習を重視する歴史があります。
一方、日本は「同調」や「一斉学習」といった文化が根強くあります。こうした文化や教育背景の違いが、自由進度学習の定着を妨げている大きな理由だと思います。
さらに、欧米はクラスサイズが25人前後で、施設・設備も充実しているなど、ハード面にも大きな差があります。
こうした大きな違いがあるのに、名前や形だけを真似しようとしても、うまくいかないのは当然なんじゃないでしょうか。
先生が「過労死寸前」になっては続かない
自由進度学習には、生徒それぞれの学力差に応じた学習ができたり、学力が高い子には応用的な学習ができたりと、たくさんのメリットがあります。
しかし、私が「自由進度学習は難しい」と特に感じたのは、実際に実践した先生の話を聞いたときです。
その先生は、毎晩夜中の12時まで準備をして、8種類のワークシートを用意し、それぞれのブースに学習セットを置くなど、普段の何倍も時間と労力をかけていたそうです。これって、「過労死寸前の取り組み」ですよね。
こうした話を聞くと、研修会の参加者からもたくさんの質問や厳しい意見が出ていました。
また、安定した学級経営や、先生と生徒の間に信頼関係が築かれていないと、自由進度学習は機能しません。
席に座らせたり、教科書を開かせたりすること自体が難しい学校も多い中で、一部のうまくいっている事例だけが注目されても、多くの先生方には取り入れるのが難しいのが現実ではないでしょうか。
そして、自由進度学習の最大のネックは「場は共にしていても、思考は共にしていない」という批判があることです。みんながバラバラに勉強しているだけで、本当に学び合えているのか?という疑問はつきまといます。
大切なのは「主体性と自己肯定感」
そこで、今回のセミナーで私が提案したのは、「形から入るのではなく、生徒の主体性を引き出すこと」です。
生徒が主体的に取り組んで、自己肯定感が得られ、「友達と一緒に学んでいて楽しい!」と感じられることが達成できれば、結果的に自由進度学習になっているのではないかということです。
しっかりとした授業デザインを意識して、授業を積み重ねていった結果、「実はこれって自由進度学習だったんだ!」という状況になっているのではないか、ということです。
振り返りのアンケートでも、「自由進度学習は難しいと思っていたけれど、話を聞いて、取り入れられるところから始めていけばいいと思った」「すでにできている部分もあるんだと気づいた」といった意見をたくさんいただきました。
ほとんどの先生方は、すでに何らかの形で「ゆるやかな自由進度学習」や「個別最適な学習」を実践しているんです。
だからこそ、形だけを真似するのではなく、生徒がイキイキと主体的に取り組む授業を続けるうちに、それが持続可能な「ゆるやかな自由進度学習」として広がっていくのではないでしょうか。
おわりに~共有リンク紹介~
自由進度学習というワードが盛んに出てくる昨今です。現実はどうなのでしょうか。こんな大ベテランになっても自由進度学習はしんどいと思う私は間違っているのか?
子育て中のセミナー参加、研修会参加しにくいワーキングマザーの先生、ワーキングファザーの先生にリスペクトを込めて捧げます。
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